優しく唇に触れた、はじめての感触。 そこから広がっていく甘い痺れに、わたしは指先ひとつ、動かすことができなかった。 押しつけられる三澄くんの唇が、わたしのこころをきゅうっと縛り上げる。 きつく、痛いほどに。 ……瞼の裏。 暗い闇の中。 ——もう、わたしには三澄くんしか、見えない。