——もしかしたら、女の子を期待をさせないための嘘なのかもしれない。って。
そう思って聞いてみたけれど、
「いるよ」
淡い期待を抱いていたのは、他でもないわたしだった。
三澄くんの、短いけれどはっきりした返事に、それはあっけなく打ち砕かれてしまった。
「……いつ、から?」
「……気になり始めたのは、半年前くらい、かな」
半年も前……。
わたしと三澄くんが、知り合うよりもずっと前だ。
それなら、わたしよりもきっと、仲のいい子なんだろう。
前に、三澄くんが傘を貸していた、美術部の女の子が頭に浮かんだ。
——ズキン。
わたしの心が、わかりやすく痛んだ。
緊張で、体が固くなる。


