「ひょっとして、……みくるは好きだったりする?」 「へっ!?」 「あ。その反応、あやし〜い」 「そ、そんなことないよ!」 わたしの気持ちを沈みこませる、しこりの正体。 それから無理やり意識をそらすように、わたしは深く息を吸い込んで、奥へ奥へと、押しやっていく。 「可奈ちゃんこそ、最近どうなの?」 なんとか話題を変えたくて、思いついたのは、そんなありきたりな質問。 「わたし?」 可奈ちゃんは、拍子抜けしたように、大きな目をぱちぱちと瞬かせた。