「三澄は、大丈夫なのかよ」
「あ……うん。とりあえず、テーピングだけしたけど……」
三澄くんの名前に、ドキリとする。
油断をすると、また顔が火照り出してしまいそうだった。
視線を泳がせるわたしに、綾人はなぜか、うんざりとしたようにため息をついた。
「お前、ちゃんとわかってんの?」
「へ?」
「だから、さっきのボールのこと」
「ボールって……」
わたしに向かって飛んできた、バレーボールのことかな。
誰かが遊んでたのが、偶然ぶつかりそうになっちゃったんだと思ってたけど。
わかってるかって、どういう意味……?
質問の意味を汲み取れなくて、首を傾げる。
ますます、仕方ねえな、なんて呆れた目を向けられてしまった。