肌を、親指でするりと撫でられる。
その感触に合わせて、ぞくぞく、と——全身に、緊張が大きな波となってこみ上げた。
「み、三澄くん……?」
そのまま、ゆっくりと滑るように、移動する三澄くんの手。
わたしの反応を、じっくりと確かめるように。
耳、そして首筋へと到達した熱がくすぐったくて、わたしは我慢できずに、身をよじる。
三澄くんが少しだけ驚いたように、息を呑んだ気配がした。
けれどすぐに、目を、そっと細めて。
満足気に、薄い唇が弧を描く。
「へえ。好きじゃない男にも、ドキドキするんだ」
「な……っ」
ドクドクドク——と。
首元から、わたしの脈が三澄くんに伝わってしまったのだと気づいた。
「だ、だめ……離してっ」
「やだ」
「だめだってば……っ」
知られたくなかったものを、暴かれている気分だ。
恥ずかしすぎて……こんなの、心臓がもたない。
そのうち爆発しちゃいそう。
今すぐ隠したいのに、わたしは三澄くんの瞳に捕らえられたように、動けない。


