こころが揺れるの、とめられない



テーピングが施された、三澄くんの指。

直前まで触れていたそれが、もう一度、そっとわたしに近づいた。

思わず、持っていたテープを落としてしまって、小さな輪っかが、コロコロコロ……と、床を転がっていく。


拾おうと思ったけれど、それを制するように、三澄くんの手が、……わたしの手を、きゅっと握った。

胸の奥が、小さく震えた。


「上村さん」

「……な、なに?」

「なんか、熱いね」

「そうかな」


三澄くんのほうが、熱い気がするよ?

わたしはそう声に出そうとして——、


「顔も、赤いし」


突然、頬を大きな手のひらに包まれて、バクン、と、心臓がひときわ大きく跳ねた。

もしかしたら止まっちゃうんじゃないか、と心配になるくらいだった。