——綾人と、可奈ちゃん。
わたしの代わりにさやちんが探してくれたのは、わたしがマネージャーとして所属しているサッカー部の、友達で。
わたしが今、もっとも会いたくないふたり。
昨日、わたしがこっそり目撃したふたり。
昨日、……気持ちが通じあった、ふたり。
「でも、みくるが学校きてくれてよかった。昨日電話で報告されたときは、3日くらい寝込んじゃうかと思ったよ」
「う……。気分はそのくらいだよ」
許されるなら、朝起きてそのまま、お布団にくるまったまま動きたくなかったもん。
むしろ、心を休める時間は、3日じゃ全然足りないかもしれない。
それだけのダメージを受けるくらいには、わたしは、綾人のことが好きだった。
去年の春、お互いが新入部員として出会ってすぐの頃から、……ずっと。
そんな綾人には、他の学校に、付き合ってる女の子がいて。
まんまと片想い状態が続いて、ほとんど1年間。
彼女と別れてしまったと聞いたのは、つい最近のことだった。