先生との関係性が変わったって、私はもう「ただの教え子じゃない」って思ったのに、
その日から先生は私との間にはっきりと距離を置きました。

態度が冷たい、ともちょっと違う。
先生の態度はあまりにも「平等」でした。

他の生徒と私との違いを見つけられないくらい。
分け隔てなく、平等に扱われました。

二人きりになることも無い。
個人的に連絡をしても返ってこない。

私だけがずっと、先生のくちびるの温度を憶えていました。
焦げついてしまったみたいに永遠に。

その熱を忘れることは無いでしょう。
呪いをかけられたんです。

先生は、自分は何も失うことなく、
私の心を壊しました。

とても甘い毒で。

その毒が抜けてしまわないうちに、熱に突き動かされるように、ハヅキくんを拐いました。