先生、私がヤリました。

「先生、私ね、昨日警察の人に補導されちゃった。」

気付いた時にはそれはもうナチュラルに、昨晩のことを告白していました。

先生をもう少しだけ引き留める口実がそれしか無かったから。
まだ帰んないで。
私がいいって言うまで帰んないで。

帰りが遅くなって、ずっとずっと先生が帰らないで、奥さんは不安で押し潰されちゃえばいいんだ。

だってズルいじゃん。
先生を本当に必要としてるのは私なのに。

こんなに先生を想っているのに。

そんなん許せないよ。

「はぁ?」

先生はびっくりしたのか目を丸くして私を見ていました。
その反応から、先生にも電話は来てないんだって分かりました。

もっと見て。
私だけを見て。

全部忘れちゃえばいいのに。
私のこと以外、全部。

「昨日の夜、お泊まり会してたんです。クラスの子と。」

「誰?」

A達の名前を出しました。
それからCとDと一緒に小学校に侵入したことも。

先生は溜め息をついて、ちょっと来てって私を促しました。
黙ったまま歩いて、大きい公園に着きました。

私がハヅキくんを誘拐した時とは違う公園です。
もっと遊具も設備も整っていて、ベンチも古びてなくて、新しそうな木で綺麗でした。

トイレも清潔そうだし、公園全体が新品って感じしました。