先生、私がヤリました。

Dが言って、数秒経ってBが楽しそうに笑いました。

Aは恥ずかしそうに「持ってきてない。」って言って、Cは「お前、さすがだな。」って言って笑いました。

花火をする為に出てきたのに、火を忘れるなんて。
でもそれすらも楽しくて、私達は沢山笑いました。

笑ってるDを見て、Bはもっと嬉しそうでした。

自分から誘い出したのに花火が出来なくなって決まり悪いのか、Aはトイレ行ってくる!って立ち上がりました。

校舎の中には入れないけど、運動場の隅にあるトイレなら夜でも使えます。
でも夜の学校のトイレなんて私なら絶対に使えません。
怖すぎませんか?

Aは勇気あるなって思いました。
でも、本当にトイレがしたかったわけじゃなくて、恥ずかしさからの口実だったのかもしれません。

Bが私もついてくって言って立ち上がって、Bは鉄扉を乗り越えた時に手が汚れたからって水道のほうへ行ってしまいました。

私とDだけが、その場に残されました。
手持ち無沙汰になった私達は、パッケージに包まれた花火を一種類ずつ見ながら、これ懐かしいねとか、どれが一番好きかとか喋ってました。