先生、私がヤリました。

Aは両親に言った通り、公園に向かおうとしたんですけど、Cがせっかくだからって、私達を誘い出しました。

着いた場所は、小学校です。
AとCの母校でした。

「えー、バレたらヤバくない?」

Bが心配そうに言いました。

「大声出さなきゃ大丈夫。ちゃんと片付ければいいんだし。」

Cは言いながら、校門の鉄扉を乗り越えました。
続いてDが、その隣から「ワクワクするね。」って笑いながらAが鉄扉を乗り越えました。

「大丈夫?」

Bの顔を覗き込んだら少し不安そうだったけど、私の顔を見返して、Bは「思い出、だよね?」って言って、鉄扉に手を掛けました。

私も頷いて、小学校の中へ侵入しました。

母校じゃないし、なんの思い出も無いんですけど、小学校は懐かしい気持ちになりました。

ブランコも鉄棒も、名前の分からないタイヤが並んだ遊具も全部が小さくて、ここで遊んだことがあるみたいに錯覚しそうでした。

私達はなるべく校門から遠ざかって、校舎の裏に周りました。
花壇がありました。

遊具と同じ、名前の分からない花が植えられていました。
みんなは花の名前くらい知っていたかもしれません。
私には一つも分かりませんでした。

出来るだけ花壇からは離れて、校舎の壁側に女子が座って、その前に男子が座りました。

Aが持っていた花火のパックをみんなの真ん中に置いて、それから全員がキョトンとしました。

「火…、は?」