先生、私がヤリました。

「ねぇ、花火なんて聞いてないよ。」

Bが言って、Aは得意げに笑いました。

「お泊まりの夜に男子と遊ぶってドキドキしない？」

Bはそんなことないってそっぽ向いてましたけど、本当は嬉しそうなことに、私もAも気付いてました。

Cは親友のDも連れてくるって言ってたから。
BはDのことが好きなんです。
昼間、恋バナしてた時もDの話を散々聞かされました。

だから多分、Aは急遽花火をしようって決めたんだと思います。
Bの為だったんです。

それだけだと思ってたのに、Aは私に耳打ちしました。

「Cに優しくしてあげてね。好きなんだって。」

「え？」

「Cね、あんたのこと、好きなんだよ。知ってた？」

その続きは、聞くことは出来ませんでした。

街灯はあるけれど、やっぱり夜って暗いんですね。
何を当たり前のことをって思いますか？
当たり前なんですけど、なんか改めて思っちゃって。
昼間とは全然違う景色に見えるなって。

薄暗い道の向こうから、「おーい！」ってCの声がしました。
姿がはっきり見えるようになったら隣にDも居て、手を振っています。

「ごめんね、急に。Cが来るなら遊んできていいって言うからさ。でも早く帰らなきゃだけど。」

「いや、俺達も一緒だったんだよ。な？」

Cに言われてDも笑ってました。