先生、私がヤリました。

私は一人ぼっちなんだって気持ちが、体中に充満することがあります。

学校に行けば友達が居るけど、どこか空虚で、シンとして冷たい家に帰ればまた一人に引き戻される。

一人が苦手なわけではないんですけど、虚しくなるというか。
生きてるのにどこにも属していない感覚ですかね。

そういうことも、先生と話したりパトロールしている間は忘れることが出来ました。
ほんの一部でも、私が世の中の流れを変えようとしている。
人の人生を変えようとしている。

その時は高揚感や優越感を得ることが出来ました。

もうすぐ六月になろうとしていました。
一週間の間に何度もハヅキくんの様子を見に行く。
一日に数回行ったこともあります。
もちろん毎回違う格好で。
大変でしたけど、女優になったつもりでやってました。

まだチャンスは全然ありませんでした。
ハヅキくんが公園に遊びに行っても、奥さんが近くに居たり、近所の子ども達が絶対に何人かと、周りには大人も居ました。

完全に人目にの無い場所か、もっと人混みじゃないとリスク高いなぁって思って、やっぱり無謀な計画かもって弱気になったこともあります。

ハヅキくん一人を囲うくらいは生活に支障は無いんですけど、対人間なので全てが計画通りにいくとも思ってなかったですし、考え方としてはかなり稚拙ですよね。

それでも私は突き進むしかなかった。
「その他大勢」になるなんて絶対に嫌。
先生以外、私には失う物なんてもう無かったから、私だから出来たことだと思います。