先生、私がヤリました。

やっぱり！そう思いますよね？
そうですよ。最初に手を出したのは先生です。
やっぱりそうですよね？

世間的には見れば、最初に悪かったのは先生です。
だから最初はなんとなくですけど、もしかしたら家庭に不満があるのかも。
だったら奥さんから解放してあげなきゃってふわっと思ったんです。
それも動機の一つですね。

え？普通はそうは思わないって？
そんなこと無いと思いますけど。

その後、先生は部活に戻っていきました。
私はブックカバーを最後まで縫い続けました。
手が震えていて、何度か指を刺しました。

出来上がったブックカバーを持って、職員室に提出に行ったら、家庭科の先生に「何で途中から糸が赤いの？」って訊かれました。

黄色い糸が無くなっちゃったから。
私はそう答えました。
ちょっと呆れていたけど、見逃してくれました。

私と先生の共犯です。
黄色に比べて赤はだいぶ歪んでしまったけど、最高の作品です。