先生は、私の縫いかけのブックカバーに繋がった黄色い糸を、勝手に玉留めして、プツンってハサミで切りました。
それから私の裁縫箱から赤い糸を取って、針穴に通して、渡してきました。
「え?」
「布が黄色くても、赤い糸が似合うよ。だって苺、赤いじゃん。」
「…よく分かんないけど。」
「いいから。」
「…はい。」
渡されたまま、ブックカバーの続きを縫いました。
誰彼構わず男子とハシャいだりなんかしてない、誰でもいいわけじゃない。
そもそもあの時は先生が悪かった。
私にそうさせたのは先生なのに。
そう言いたかったけど、私は何も言えませんでした。
ただ黙って縫い続けました。
「スマホ貸して。」
黙って縫い続ける私に先生が言いました。
何でって聞こうとしたけど、私は黙ってポケットからスマホを取り出しました。
その時です。
先生と連絡先を交換したのは。
「内緒な。」って、先生は言いました。
何かあったら担任を頼れって。
色んなとこで気のある素振りするなって。
先生の言い分は的外れでしたけど、どうでも良かったです。
どうでも良くないですか?
幸せだったから。
それから私の裁縫箱から赤い糸を取って、針穴に通して、渡してきました。
「え?」
「布が黄色くても、赤い糸が似合うよ。だって苺、赤いじゃん。」
「…よく分かんないけど。」
「いいから。」
「…はい。」
渡されたまま、ブックカバーの続きを縫いました。
誰彼構わず男子とハシャいだりなんかしてない、誰でもいいわけじゃない。
そもそもあの時は先生が悪かった。
私にそうさせたのは先生なのに。
そう言いたかったけど、私は何も言えませんでした。
ただ黙って縫い続けました。
「スマホ貸して。」
黙って縫い続ける私に先生が言いました。
何でって聞こうとしたけど、私は黙ってポケットからスマホを取り出しました。
その時です。
先生と連絡先を交換したのは。
「内緒な。」って、先生は言いました。
何かあったら担任を頼れって。
色んなとこで気のある素振りするなって。
先生の言い分は的外れでしたけど、どうでも良かったです。
どうでも良くないですか?
幸せだったから。



