先生、私がヤリました。

その日、私はベッドの中でハヅキくんを抱き締めたまま、学校をサボりました。

制服を着たままで。
スカートのプリーツがぐちゃぐちゃになっちゃうなってちょっと思いましたけど、まぁいっかって思えました。

ハヅキくんがあんまり気持ち良さそうに眠っちゃったから。

あぁ、この子が本当に、私と先生の子どもだったら良かったのにって思いましたね。
私なら、ハヅキくんが拐われてしまうような危険な目には遭わせない。

奥さんって、先生のこと、なんにも分かってなかったんじゃないですか?
もしかして、先生にとって一番大切な物は自分だって思ってたのかも。

じゃなきゃ、宝物を一人で外に出したりしますか?
それも目の届かない所に。

そう思うとだんだん奥さんへの怒りの感情が強くなっていきました。
私は実行犯で、裁きを受けるのも私だけど、原因を作ったのは奥さんです。

なのにこれから先、あの人はハヅキくんを取り戻して、「可哀想な奥さん」のつもりで先生や周囲に慰められながら生きていくんですよね?
私のおかげで。