それで、いつもみたいにパトロールしてたんですね。

ハヅキくんが一人で家の前の路地でボール遊びをしていたんです。

住宅地で車が通るような道では無いですけど、
ちょっと危ないんじゃないかなって思いました。

それにハヅキくんって四歳…?ですよね?
そんな小さい子を一人で遊ばせるなんて、
やっぱり奥さんってちょっと抜けてるなって思ってイラッとしましたね。

知ってます?
世の中、生きてる人間が一番怖いんですよ?
みんな見えない物に恐怖を抱きがちですけど、
実態のある物のほうが危害を加えてくるんですから。

それなのに四歳の幼児を目の届かない所に放置するなんて。
だから私、保護してあげようって思ったんです。

保護…。
そうですね。表向きはそうでした。
本音?本音は…うーん。

思わないタイミングでチャンスが転がってきたなぁって。
神様が味方してくれてるって思いました。