「それで?俺か学校に知ってて欲しいことはあるか?」

取り立ててそういうことも無かったんですけど、私は「寂しい」って言ってみました。

友達は居るし、祖父母も居る。
一人ぼっちなわけじゃないのに寂しいって。

そしたら先生は「そうだよな…。」って呟いて、私を見つめました。
二つの机を前後でくっつけて座っているだけなので、結構距離が近くて、私もジッと見つめ返せば、もしかしたら先生の瞳に映る自分を見れたかもしれません。

「大丈夫か?」

「はい。友達には気を遣うしあんまり言えないけど、学校に来れば先生が居るから平気だよ。」

先生は「あんまり先生をからかうなよ。」って言って笑いました。

「そうだ!私、時々ハヅキくんの面倒、見ましょうか?」

「…え?」

「ほら、奥さんも家事とか大変だろうし、放課後にハヅキくんの遊び相手くらいにはなれますよ。」