人生の転機ってある日突然やってくるんだなって思いました。

街中でスカウトされたことをキッカケに大スターになったり、
たまたま出会った人と結婚して家族を持ったり、
殺されて大切な人にお別れも言えないまま死んじゃったり。

一週間ほど何事も無く過ぎて、最近は色んなことがあり過ぎてちょっと混乱しちゃってたけど、
何をどう考えたって私が先生を好きな気持ちは変わりませんでした。

そしたら珍しく…珍しくね?
ちゃんと話をしようって思ったんです。

落ち着いて、先生の言葉だってちゃんと聞いて受け入れる。
そしたらまだ関係は修復できるんじゃないかって。
少なくとも記憶にも残らない存在にはならないんじゃないかって思ったんです。

もしそうなることが出来たら、もう自首しちゃおうかなとも思えました。

私が自首しちゃったらハヅキくんと先生のかくれんぼの勝敗がちょっと分かんなくなっちゃうけど、大丈夫って思いました。

勝っても負けても、宝物が帰ってくるんだもん。
先生は大喜びで、頑張ったハヅキくんになんでも与えてくれるって。

でもね、それも叶いませんでした。
三日間くらいチャンスを待って、先生が一人にならないか、偶然でもいいからどこかで出くわしたりしないか、いっそもう一度先生の自宅に行ってみようか。

そう思ったのにチャンスは訪れませんでした。

むしろ先生はあからさまに私を避けていて、
目も合わせてくれません。

次第に、悲しさよりも虚しさが強くなってきて、
他人の人生を変えてまで守りたかった私の恋は、全く知らない赤の他人の娯楽として扱われただけで終わっていきました。