ある日、学校から帰ってきた私にハヅキくんが言いました。
リズちゃんと遊びたい。
なんでリズちゃんは来なくなっちゃったの。
私はハヅキくんをベランダの窓の前に連れていって少しだけカーテンを開けました。
「見える?」
「うん。」
月が空で滲んでました。
雲がかかってて綺麗なおぼろ月でした。
「リズちゃんとはもう遊べないの。」
「どうして?」
「遠い場所にいっちゃったの。ずっとずっと遠く。ハヅキくんは行けない場所。」
「もう会えないの?」
「うん。リズちゃんはね、ハヅキくんを裏切ったの。」
「裏切った?」
「お友達だったのに嘘ついて居なくなった悪い人ってこと。お姉ちゃんの言った通りだったでしょ。」
「本当にもう会えないの?」
「会えない。」
「僕、リズちゃんに会いたい。」
「ハヅキくんにはお姉ちゃんがいるじゃない。それだけじゃ嫌?」
「…嫌じゃない。」
こんな小さい子の三秒くらいの間に心が揺れるほど、私は弱くありません。
怒ったりもしません。
小さい子はお別れっていうものを受け入れるのに時間がかかるってだけの話です。
リズちゃんと遊びたい。
なんでリズちゃんは来なくなっちゃったの。
私はハヅキくんをベランダの窓の前に連れていって少しだけカーテンを開けました。
「見える?」
「うん。」
月が空で滲んでました。
雲がかかってて綺麗なおぼろ月でした。
「リズちゃんとはもう遊べないの。」
「どうして?」
「遠い場所にいっちゃったの。ずっとずっと遠く。ハヅキくんは行けない場所。」
「もう会えないの?」
「うん。リズちゃんはね、ハヅキくんを裏切ったの。」
「裏切った?」
「お友達だったのに嘘ついて居なくなった悪い人ってこと。お姉ちゃんの言った通りだったでしょ。」
「本当にもう会えないの?」
「会えない。」
「僕、リズちゃんに会いたい。」
「ハヅキくんにはお姉ちゃんがいるじゃない。それだけじゃ嫌?」
「…嫌じゃない。」
こんな小さい子の三秒くらいの間に心が揺れるほど、私は弱くありません。
怒ったりもしません。
小さい子はお別れっていうものを受け入れるのに時間がかかるってだけの話です。



