十月になって、リズちゃんのおうちの近くの商店街の防犯カメラの映像と、ようやく見つかったハヅキくんのおうちの近くでも見つかった防犯カメラの映像がテレビでも公開されました。

ついでに映像を切り取って作ったのか、その画像がネットでもバラ撒かれました。

意外にもハヅキくんのおうちの周りのほうがカメラは少なかったんですね。

見つかったのは公園の近くの人の自宅に設置されていた小さなカメラでした。

業務用みたいな精度の良さは無くて、映像の解明度は荒いんですけど、なんとなく私が持っているキャリーケースと服装が分かる程度でしたよね。

それを辿っていくつかのカメラが見つかって、私がキャリーケースを持って歩いているところ、
でも公園に入っていく映像やハヅキくんを連れているところまでは映っていなくて、しかも全部が同一人物かどうかも分からない。

びっくりしたのはリズちゃんです。
私がキャリーケースを引いて消しゴムの女の子と歩いてるところや、駅に向かってリズちゃんを入れたキャリーケースを引いて一人で歩いている映像は見つかったのに、アパート付近の映像はありませんでした。

あのアパート、カメラついて無かったんですね。

重要な情報を知ってるかもしれないってことで、消しゴムの女の子にも話を聞いたそうですね。

あの子、なかなか頭の良い子だと思いました。
リズちゃんと同様、「男の人みたいな女の人」って言った女の子は、「用事があるからアパートまでの道を教えて欲しい」、そう言われて案内しただけだって答えたって聞きました。

きっと消しゴムのことを隠したかったんだと思います。
バレてももう、リズちゃんはこの世に居ないのに。

それから私との約束もちゃんと守ったんですね。
リズちゃんと違って口が硬かったんだ。
あーあ。だったら最初から、あの子にすれば良かった。