私の名前を呼んで、「お話をお伺いしたいのですがー。」ってどこかダルそうな口調で男の人が言いました。
抵抗せず、私は液晶モニターの「解錠」ボタンを押しました。
モニターのカメラが消える寸前、エントランスの自動ドアが開いて、警察の二人が中に入ってくるのが見えました。
玄関前にやってきたその人達は、モニター越しに見るよりもずっと若く見えました。
男の人が三十代前半くらいで、女の人は二十代半ばくらい。
「話って?」
私の問いに答えたのも、やっぱり男の人のほうでした。
女の人は一言も喋らずに、多分私が喋ることをメモしようと、小さいノートとペンを構えてました。
「いや、ね?あなたの部屋から不審な声が聞こえるってご近所さんから通報があって。」
「不審な声?」
ドアを途中まで開けて、チェーンは掛けたままでした。
「高校生の一人暮らしのはずなのに、小さい子どもの声がした…って言うんですよ。」
「高校生の一人暮らしの部屋から子どもの声がすると不審なんですか?」
「違うの。」
ずっと黙っていた女の人が初めて口を開きました。
小学生が授業参観日に勇気を出して発言するみたいな勢いを感じました。
抵抗せず、私は液晶モニターの「解錠」ボタンを押しました。
モニターのカメラが消える寸前、エントランスの自動ドアが開いて、警察の二人が中に入ってくるのが見えました。
玄関前にやってきたその人達は、モニター越しに見るよりもずっと若く見えました。
男の人が三十代前半くらいで、女の人は二十代半ばくらい。
「話って?」
私の問いに答えたのも、やっぱり男の人のほうでした。
女の人は一言も喋らずに、多分私が喋ることをメモしようと、小さいノートとペンを構えてました。
「いや、ね?あなたの部屋から不審な声が聞こえるってご近所さんから通報があって。」
「不審な声?」
ドアを途中まで開けて、チェーンは掛けたままでした。
「高校生の一人暮らしのはずなのに、小さい子どもの声がした…って言うんですよ。」
「高校生の一人暮らしの部屋から子どもの声がすると不審なんですか?」
「違うの。」
ずっと黙っていた女の人が初めて口を開きました。
小学生が授業参観日に勇気を出して発言するみたいな勢いを感じました。



