先生、私がヤリました。

部屋の数は三つ。
テレビの部屋…、えぇっと、「リビング」のこと、「テレビの部屋」って言いません?

リズちゃんの家…というかアパートはなんていうか、うーん…。
「リビング」って雰囲気とも違って、和室では無いんですけど、洋室でも無いっていうか…。

ごめんなさい。難しいです。
六畳か七畳くらいの空間にくすんだベージュみたいなピンクみたいなカーペットが敷き詰められていて、冬にはきっとこたつになるんでしょうね。
そのテーブルだけが真ん中に置いてありました。

テーブルの上には食べたあとのカップ麺のカップとかお酒の缶、灰皿にも吸い殻が溜まってました。

テレビと、テレビ台の上に半透明の収納ケース。
乱雑に詰め込まれて封書や常備薬の箱、爪切り、体温計なんかが薄く透けて見えました。

その部屋全体は決して散らかってはないんですけど、テーブルの上と収納ケースの中だけが混雑してるっていうか。

それ以外は散らかるほどの物がそもそもありませんでした。

エアコンはあったけど、稼働はしていなくて、背の低い扇風機が周囲の暑い空気を回し続けてました。

「クーラーつけないの?」

「お母さんに怒られる。お母さんが寝る時だけつけていいの。」

「でもここ、すごく暑いよ。熱中症になっちゃうよ。」

「熱中症?」

「暑くて頭がボーッとして、倒れちゃうの。死んじゃうことだってあるんだから。」

「それなら一年生の時、運動会の練習の時にクラスの男子がなったかも。」

「倒れちゃったの?」

「うん。目の前が真っ黒になって、気持ち悪くなったって。」

「リズちゃんもなっちゃうよ。気をつけないと。」

「うん…。」