先生、私がヤリました。

室内は外よりももっとムッとしていて、部屋全体が使った後の浴室みたいでした。

踊り場のスペースからイメージしてたよりも若干広くは感じました。

半畳あるかどうかくらいの玄関。
傘立ては無くて下駄箱に引っ掛けられたままの傘。

白の大きめの傘とビニール傘が二本、ピンク色で先が丸くなっている子ども用の傘が一本。

「四人家族なの?」

「二人だよ。」

「二人。」

乱雑に脱ぎ散らかった靴。
キャラクターの顔が大きく付いた健康サンダルと少女が履いていたシンプルな黒のスリッポン。
ヒールが三足。
赤、黒、黄色。
そこは青じゃないんだって思いました。

玄関の隅に居心地悪そうに設置された消火器。
ヒールの赤とよく似てました。

「ねぇ、消火器、なんで室内にあるの?」

「ドアの前に置いちゃうと開けた時にぶつかるかもしれないから皆さんのおうちに置いてくださいって。」

「そっか。」

踊り場がもう少し広ければ、外に設置することが出来れば、傘立てを置くことも出来ただろうにと思いました。