俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

 スイートルームの二人が目覚めたのは、お昼を過ぎた頃。

「ん〜」悩ましい声と共に芹が起きた。

 芹の声と気配で、隣で寝ていた暁も目覚める。

「あ〜よく寝た」

「ホントに。もうお昼過ぎちゃってる」

「だな。これからどうする?観光に行くか?」

「う〜ん。人に見られるのが嫌だから、出来ればホテル内で済ませたい」

「ランチに行くか?」

「うん」

 二人は、ホテル内の個室のあるレストランに入り食事をした。

「観光はいいのか?」

「うん……。なんかごめんね」

「芹のせいじゃないだろう。きっと駿が戻ってきたら、イベント関係者に喜ばれたって話になるぞ」

 さすが経営者、周りの反応まで正確に予想している。

「まさか自分がフランスでも知られているなんて、びっくりで……」

「昔ならあり得なかっただろうが、これだけSNSが使われるようになったら、ボタンひとつで世界に繋がる。チャンスとピンチが紙一重だ。もし間違った使い方をしたら、世界中に恥を晒すし批判される」

 会社の経営者の立場で、日頃からSNSとの向き合い方を徹底している。