俺を嫉妬させるなんていい度胸だ〜御曹司からの過度な溺愛〜

「暁くん……」感極まって目を潤ませている。

「左手出して」

「はい」

 大自然の中の可愛らしいブランコで指輪を嵌めてもらった。

「そろそろ戻ろうか」

「うん」

 手をつなぎ新たな気持ちで旅館に戻る。出会って恋人になり、その先に一歩進んだ。

「おかえりなさいませ」

 先程の場所を教えてくれたスタッフが出迎えてくれた。

「ブランコ、とっても素敵でした」

「喜んでいただけて良かったです。失礼を承知で」

「??はい?」

「先程はされていなかった指輪が……」職業柄お客様の変化には敏感だ。

「あっ」恥ずかしそうに頬を染める。

「いい場所を教えていただいたお陰で、思い出に残るプロポーズができました」

「おめでとうございます」

「「ありがとうございます」」

 お祝いの言葉をもらい実感が増す。恋人から婚約者へ、幸せを噛み締める。

「お食事までゆっくりお過ごしくださいませ」

「はい」

 二人は、仲良く離れに戻っていく。