桜が満開に咲き誇る下で、卒業生たちが各々写真を撮り合っている。



「ついに高校卒業かあ…。あっという間だったな…」



笑顔の卒業生たちを眺めていると、いつの間にか紫音が隣に立っていた。



「当たり前のように来てたこの学校も、今日で最後なんてなんか寂しいなあ…」


「そうだね…。ずっと高校生のままでよかったのに」



先ほどの卒業式で泣いたのか、紫音の目は少し赤く腫れていた。



「陽菜とも毎日会ってたのが嘘みたいに、これからあんまり会えなくなるんだよね…。うー泣きそう…」


「あははっ。泣かないでよ紫音。大学もそんなに離れてないし、会おうと思えばいつでも会えるよ。それに、私の親友は紫音ってことは変わらないんだから。離れてても大丈夫だよ!」


「うーひなああ」



半泣きになりながら紫音が抱きついてきた。



「おまえら、本当変わんねぇなあ」



奏多に卒業証書で頭を軽く叩かれる。