たとえこの世界から君が消えても

「聞こえなかった?心がブスだから、顔までブスになるんだよって教えてあげたんだよ。まあ言い終わらないうちにあんたに突き飛ばされ…」



加奈がもう一度、思いっきり佐倉さんを突き飛ばし、散乱する机の上に佐倉さんが倒れた。


先ほどとは違い、当たったところが悪かったのか、佐倉さんがおなかを抑えながら痛そうに顔を歪めている。



「このクラスで私に逆らうとどうなるか、教えてあげようか?」



加奈が遠慮なく佐倉さんの体を次々と蹴っていく。


佐倉さんは黙って体を丸め、加奈の攻撃に必死に耐えている。


よっぽど加奈の気に障ったのか、今までで一番ひどい。



「あそーだ。土下座。土下座してくれるなら、許してあげてもいいけどー?」



苦しそうに咳き込んでいる佐倉さんの胸ぐらを掴みながら、加奈が笑顔で言った。


あまりにも怖い笑顔に、鳥肌が立つ。



「加奈やっさしー」


「早く土下座しろよ」


「なあ、耳ついてんの?早くしろよ」