「花明かり」



あの道を一緒に歩こう、と約束していたから、今日までどうにかやってこれたよ。花明かりの中、きみの背中に負われて見た景色は、どこもかしこも目一杯の春で。ひらひらと降ってきた花びらがきみの頭に乗って、くすくす笑って。ねえ、わたし、幸せよ。幸せだったよ。