「罪悪」


この罪悪は甘く、たまに酸っぱい。この罪悪は白くて黄色くて、たまに赤い。この罪悪に触れている時間は、もどかしい日常を忘れられる。束の間の幸福を与えてくれる。それが罪悪だと分かっている、のに。罪悪が舌を這い始めるとすっかり忘れ、身体中に施される幸福に目を閉じるのだ。