慌てて律のあとを追いかけるけど、小脇に抱えられたチュン太のお尻は遠のいていく。
「うるさい。騒ぐな。恥ずかしい」
……たしかに。
ご近所さんの目もある。
女子高生が、必死になってぬいぐるみのお尻を追いかけているなんて。
すぐそばで、小学生の集団がこちらを見て笑ってるし。
「………いつまで?」
「なにが?」
「いつまで借りるつもり?」
「さぁ?」
「さぁ?、って」
律が肩をすくめる。
チュン太が切なそうにこちらを見ていて、なんだか申し訳なく思えた。
「もう、いい。わかった。じゃあね!」
諦めたわけじゃない。
一刻も早く取り戻すために、作戦を練らなくちゃ。
「くれぐれも、扱いには気をつけてよね!」
「おぅ。じゃあな、七星。また明日」
ニッと、白い歯を見せて笑う律。
チュン太の小さな手をパタパタと動かすと、家の中へと入っていった。
あー、もうっ!ムカつく!!



