いっしょに寝ようよ。




むぎゅっ、むぎゅっ、と。
律が掴んだのは、「まめた」だ。
寝るとき右腕に抱える、柴犬のまめた。
それから、「ともぞう」も。
チュン太の隣が定位置の、アフリカゾウのともぞう。

「え。なにしてんの、」

まめたを右に、ともぞうを左に抱え、部屋を出て行こうとする律。
昨日の、チュン太のときと同じじゃん。

「くれるなら、Tシャツよりこっちがいい」
「なっ…、なに、それ。ちょっと待ってよ」

こっちがいい、…って。本気で言ってる?
わたし、囲まれてないと寝られないんだよ?
律も知ってるでしょ?


「ねぇ、ちょっと落ち着こう。ね?男子高校生が、ぬいぐるみに癒しを求めるのは、全然いいと思うの。だけどさ、この子たちを連れていくのは、やめようよ。そうだ!新しい子をね、探しに行こ。今度の休みとか、どう?」

両手を広げてドアの前に立ち、律を説得する。
律に抱えられて、まめたも、ともぞうも苦しそうだ。

「あはははは。すげぇ必死」
「必死だよ!」

……だけどさ。
両手にぬいぐるみを抱えて笑う律が、やけにかわいく見えちゃうのは、なんでだろう?


「ねぇ、お願いだから返してよ。その子たちがいないと、寝られない」

「だからだよ」

……え?

「こいつらがいなくても、寝られるようになれ、ってこと。そうじゃないと、困る」

……ん?