いっしょに寝ようよ。




うつむいた律の、『離れなきゃ、よかった』って言葉が忘れられない。

胸の奥が、チクチクと痛んで。
苦しかった。

わたしが、「あっちに行って」と言ったから、それに従っただけ。

律は悪くない。



「これ、」

いつものように家まで送り届けてくれた律が、いつものように、空っぽになったお弁当箱を差し出した。

「ごちそうさまでした、って伝えておいて」
「うん」
「じゃあ、」
「……うん。ありがとう」

また明日、って言いかけてやめた。

なんだか、いつもと違うんだ。
目の前の律は、いつもと変わらないのに。
トクン、トクン、トクン、……って。
律を見上げたわたしの心臓が、いつもと違う動きをする。


「あのね、」
「うん?」
「えぇっと、」


あぁ、ほら。やっぱり。

今日一日、律のことを考えてたからかな。
小首を傾げ、瞬きをひとつ。
そんな、律の何気ない動きを目にしただけで、胸の奥のほうが、きゅうってなる。


「もし、律が嫌じゃなかったら、のハナシなんだけどね」