いっしょに寝ようよ。




次の駅まで、あと、どのくらい?
誰か。……誰か、気づいて。


「おい、おっさん!」


……あ。律だ!

車内に響いたのは、間違いなく律の声だった。
乗客をかき分け、わたしをかばうように立つ。
周囲から向けられる視線なんて、気にする様子もない。

「なにしてんの?」
「誤解されるような動きしたのは、そっちだろ?」
「次で降りなよ」

知らない。勘違いするな。やってない。俺じゃない。
そう騒ぐ男の腕を、律は掴んで離さない。



「あっ…、おいっ!」

電車がホームに滑り込み、ドアが開いた瞬間、男は律の手を振り払い、周りの人を押し退け逃走してしまった。


「ごめん」
「ううん」
「平気?」
「うん」


律が気づいてくれなかったら、もっと酷いことをされていたかも。
そう思ったら、心臓の動きが速くなった。
のどの奥が熱くなって、目にはじわりと涙が滲む。


「ありがとう……」
「いや、……オレが悪かったんだ」
「……なんで?」
「七星を見るときの、アイツの目が。……ヤバいな、って。前から思ってたのに。……ごめん」