身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました


 ぼんやり思いを巡らせながらしばし昴を眺めていると、その身体がピクッと動いてむにゃむにゃとなにかを言いながら寝返りを打つ。そろそろ起きるかな。


「おはよう、昴」
「んー……ん~~にゃ~」


 布団の中で、握った両手を上に上げて思いっきり伸びをする彼は、なぜか猫のような声を出した。面白くてつい構いたくなる。


「可愛い猫ちゃんがいる。撫で回しちゃおっかなー。えいっ」
「にゃはっ!」


 寝起きにもかかわらずこちょこちょをすると、昴は魚みたいに身体をくねらせて笑う。朝から騒がしいが、幸せなひとときだ。

 しっかり目が覚めたところで、寒さに負けず昴と一緒に一階へ下りる。ここは私の実家なので、何時に起きてなにをしようが、気兼ねがいらなくて本当にありがたい。

 日曜日の今日は仕事も保育園も休み。昴をリビングで遊ばせて、私は対面式のキッチンでその様子を見ながら気ままに朝食の準備をする。

 なんとなく洋食の気分で、スープとスパニッシュオムレツを作ることにした。小さめに野菜を切って、チーズも入れて具だくさんにしよう。

 しばらくして父がリビングに入ってきた。「はよー」と言う昴と嬉しそうに話したあと、こちらにやってきて私とも挨拶をする。