──妊娠しているかもしれない。

 半信半疑だったその気持ちは、帰宅してすぐに試した妊娠検査薬の結果を見た瞬間にほぼ確信へと変わった。

 陽性反応が出ているんだもの。きっといるんだよね、私と嘉月さんの赤ちゃんが……。


「……やばい」


 心の声をぽつりとこぼし、小刻みに震える手で口元を覆う。

 どうしよう、想像以上に嬉しい……! 子供が欲しい願望が強くあったわけではないのに、嘉月さんとの愛の証が宿っているかもしれないという奇跡が現実に起こったら、ものすごく感動している。

 嘉月さん、きっと喜んでくれるよね。若干心配なのはお互いの両親の反応だけれど、青來家だって跡取りが欲しいと話していたし、結婚前だとしても妊娠は喜ばしいことのはず。

 いや、誰がなんと言おうと絶対にこの子を守ってみせる。守れるのはママになる私しかいないんだから。

 妊娠の可能性が高いとわかった途端、急に気持ちが奮い立つ。まず近いうちに産婦人科へ行こう。ちゃんと確定してから嘉月さんに伝えて、それから両親にも報告しようと覚悟を決めた。

 それと同時に〝男の子かな、女の子かな。名前はなににしよう〟などと気が早いことを考えていて、何倍も楽しみな未来にひたすら胸を躍らせていた。