「ていうか都ちゃん、セーライの商品開発に入ったら? かづ兄も、都ちゃんの感性はいろんなアイデアを生み出しそうだって言っているし」
「いえ、外野にいるからこそあれこれ遠慮なく言えるんですよ。それに、私はコーヒーと大正ロマンの香りの中で働ける今の仕事が大好きなので、変えるつもりはありません」
きっぱり断ると、手を止めてキョトンとした朝陽さんはぷっと噴き出した。
「いいね、都ちゃんって。はっきりしてて気持ちいい。勧誘とかすぐ断れるタイプ?」
「そうですねぇ、どちらかと言えば。聞きたいこと聞いてから断るタイプです」
「それ、一番相手のメンタル削るやつ」
彼はおかしそうに笑い、ひと口大にしたお肉を口へ運んだ。私もナイフがいらないほど柔らかなそれを堪能しながら、楽しい気分で会話を続ける。
「でも君は真面目だね。年は一歳しか違わないんだから、敬語なんか使わなくていいよ」
「すぐにタメ口で話せるほど、私は陽キャじゃないんで」
「俺、軽くディスられてる?」
ちょっぴり切なそうにする彼に笑いつつ、お言葉に甘えてフレンドリーに話すことにする。



