身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました


 率直な意見を口にすると、ふたりが目をしばたたかせた。嘉月さんは顎に手を当ててふむふむと頷く。


「なるほど……確かにそうだ。親も安いほうが気軽にできるしな。今度提案してみよう」
「ここは会議室?」


 真面目に語る彼と私に対して、朝陽さんがツッコんだ。確かに、今のはレストランにいる婚約者同士でする話の内容ではないかも。


「ふたりの会話、色気なさすぎでしょ。俺、今会社にいるのかと思ったよ。いつもこんな感じなの?」


 少々呆れが交ざった笑いをこぼして問いかけられ、嘉月さんは表情を変えずに淡々と答える。


「甘い言葉は他の人に聞かせるものじゃないだろ。ちゃんとふたりだけのときにしてるよ」


 これまでに彼からもらった嬉しい言葉や微笑みを思い返して、ぽっと頬が熱くなった。あれは私だけのものなんだよな……当たり前だけど。

 身を縮めつつ照れ笑いを浮かべる。朝陽さんは「へぇ」と声を漏らし、少し驚いたように私たちを交互に見ていた。

 そして、赤ワインで煮込まれた牛頬肉にナイフとフォークを入れながら言う。