身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました


「……外にもかかわらず衝動的にキスしたくなるなんて、いつぶりだろうな」


 そう言われてすぐ、人気が少ないとはいえ誰に見られてもおかしくない状況なのを思い出し、かあっと顔が熱くなった。心臓も遅れて激しく動き始める。

 不意打ちで唇を奪われてしまった。恥ずかしさと動揺で縮こまりたくなるものの、嘉月さんは私の頬に手を添えて甘く微笑む。


「都は、俺の欠点すらも全部愛しく感じさせてくれる。君以上に綺麗なものはない」


 もったいない言葉をもらえて、じわじわと幸福感が込み上げる。たいしたことは言っていないのに、嘉月さんは嬉しかったみたいだ。

 お互いの気持ちが重なっているのを実感し、喜びを噛みしめて彼の胸におでこをくっつける。


「嘉月さん……私、幸せです〜」
「俺も」


 背の高い彼が腕を回して、私の身体をすっぽりと包み込んだ。彼の腕の中も、こんなに温かい。

 これからもずっと、ここが私の居場所でありますように。

 この願いは桜のように散らないでと祈りながら、私たちは人目も気にせずしばらく抱き合っていた。