身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました


 嘉月さんに抱っこされている昴は、私を見て目をまん丸にする。


「ママ、きれい。おひめさまみたいだね」
「ああ。俺だけのお姫様だ」
「ずるーい」
「悪いが、いくら昴でもこれだけは譲れない」


 惜しげもなく甘い言葉を口にする旦那様に、私は嬉しくてくすぐったくなるも、昴はぷくっと頬を膨らませている。

 そんな張り合いはすぐに終わり、嘉月さんは愛おしそうに昴と私を見つめる。


「都と昴の家族になれて、俺は本当に幸せ者だ」


 彼はとても優しい表情で、「この幸せがまた増えるなんて」と囁き、私のお腹にそっと触れた。

 その様子をやや離れたところで眺めていた姉家族が、「おめでとー!」と歓喜の声を投げかける。

 実はつい先日、ふたり目の妊娠が発覚したばかり。生理予定日の少し前からなんとなくいつもと違う感じがしていて、フライングで検査したら陽性だったのだ。

 まだ五週目で今のところつわりはないので、今日の式も無理なく挙げられる。お腹の赤ちゃんと四人で結婚を祝えるなんて奇跡は、神様からのプレゼントかもしれない。


「楽しい時も苦しい時も、ずっと一緒にいようね」
「ああ。約束する」


 式より先に誓い合い、嘉月さんは昴を抱いたまま、もう片方の手で私の背中を抱き寄せた。