──約半年後の十一月、秋晴れの爽やかな空に異国情緒溢れる教会がくっきりと映えている。
ブライズルームでは、品よくレースがあしらわれたAラインのウェディングドレスに身を包む私を、黒いタキシード姿の嘉月さんが感激した様子で見つめていた。
「ようやく見られた。俺の花嫁になった君を」
「本当に長かったね」
これまでの出来事を思い返してふふっと微笑むと、彼はうっすら頬を赤らめて片手で口元を覆う。
「可愛さと綺麗さが入り交じりすぎて涙腺が……」
「全然顔に出ませんね」
お決まりのやり取りをして笑うけれど、嘉月さんが冗談を言っているわけではないことくらいわかる。私は「ありがとう」とお礼を言い、どちらからともなく唇を寄せようとした。
その時ドアがノックされ、私は慌てて嘉月さんと向き合っていた身体をドアの方へ向ける。浮き立っているな、私。
式場のスタッフに案内されて姿を現したのは、私たちの家族だ。皆が私たちを見て感嘆の声を上げる中、フォーマルなスーツ姿のカッコいい昴が一目散に駆け寄ってくる。
「パパ!」
嬉しそうな声で彼が真っ先に呼んだのは嘉月さんだ。
彼は自然に破顔して昴を抱き上げた。すっかり親子になっているふたりを、私だけでなくお母様も微笑ましげに眺める。



