身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました


 話したいことは、もうひとつある。


「あと、展示会でしてた秘密箱の話。あれで思い出したんだけど、もしかして私たち……」


 万が一勘違いだったら恥ずかしすぎるなと思いつつ、遠慮がちに確認しようとした。

 そこで先に反応したのは昴で、「ひみちゅばこってあれー?」と私のリュックを指差した。あの中には、ヱモリに置いてあった秘密箱が入っているのだ。

 ここへ来る前に昴には話していたので、「そうそう」と頷く。


「嘉月さんの話を聞いたら懐かしくなって、ヱモリから拝借してきたの」
「そうか。あの秘密箱、元は俺の父のものなんだ」
「えっ!?」


 驚きの繋がりが明かされ、私はフォークを落としそうになった。どういうこと?と百面相をする私に、嘉月さんは懐かしむような目をして説明する。


「父も古い雑貨が好きで、ヱモリで物々交換みたいなことをしていたらしい。秘密箱は父が寄付したものだよ。そうしてたまたま俺も連れられて行った時に、君と出会った」


 彼の綺麗な瞳に捉えられ、ドキンと胸が鳴る。