身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました


 とても晴れやかな気分で、夜はまた嘉月さんのマンションにお邪魔していた。

 これからさっそく引っ越しの準備を進めていこう。昴が通う保育園は少し遠くなってしまうから、転園も考えなきゃいけない。その前に、まず婚姻届を出さなきゃね。

 慌ただしくなりそうだが、どれも家族になるためだと思うと苦ではない。むしろ楽しみで、私は夕食のグラタンで汚れた昴の口を拭きながらも上機嫌だ。


「和解できて本当によかった。これでやっと夫婦になれるね」
「ああ。母さん相手にも物怖じせず正直に言う都はさすがだったよ」
「正直すぎたかも……」


 子離れできていないというくだりで、よく怒られなかったなと今になって苦笑する私に、嘉月さんはおかしそうに笑った。そして、もぐもぐ口を動かしている昴を眺めて言う。


「俺は母さんに愛されているのか、昔からあまり自信がなかったんだ。劣等感を抱いていたのはそのせいもあるんだと思う。でも実際は、愛の形がわかりづらかっただけなんだな」
「うん。むしろ愛情が強すぎたのかもね」


 頷く彼は穏やかな面持ちで、お母様とのわだかまりも薄れたように見える。親子仲を修復できそうで、私も嬉しい。