嘉月さんと再会する前や、危険な目に遭わせてしまったことが脳裏をよぎった。
シングルマザーならなおさら責任感が強くなるし、過保護にもなる。お母様もそうだったから、今回のようなことになったはず。
しかし彼女は納得いかないのか、ちょっぴり口を尖らせている。
「二歳児に対するものとはまた違うわよ……。私がいまだに子離れできていなかったみたいじゃない」
「あ、いや、えーと……たぶん、そうなんじゃないかと」
ものすごくざっくばらんに言う私に、隣で嘉月さんが噴き出す。お母様は顔を赤くして「違いますっ!」と声を荒らげるけれど、嘉月さんは口元を片手で覆って肩を震わせていた。
遠慮なく話せているのを嬉しく思っていたその時、「ママ!」という声が響いた。
私はつい辺りを見回してしまう。こんなところに昴がいるはずないのに、子供の声に反応してしまうのは母親あるあるだ。
しかし私の視界に入ったのは、笑顔でこちらに駆けてくる昴の姿。彼の後方にはしたり顔の父と、手を振る姉が立っていた。
「えっ、昴!?」
私は慌てて腰を上げ、飛び込んでくる彼を抱き留める。
今日は姉が迎えに行ってくれるという話になっていたけれど、まさかここに来るとは思っていなかったから驚いた。



