特に、屋外で行う運動会は危険だ。学生時代、日差しが眩しくて目を細めていただけで『ガン飛ばすな』と友人に注意されたことがあるからな。
と、俺は真面目に考えているのに、都はおかしそうに笑っている。「逆に、ママの間で嘉月さんのファンクラブができちゃったらどうしよう」なんて言っているが、そんな心配は無用だろう。
たわいない話も心地よく感じていると、都も眠そうに目をとろんとさせて呟く。
「お母様も、私たちを受け入れてくれるかな」
声に彼女の不安な気持ちが滲んでいて、俺の表情が自然に引きしまる。安心させたくて、昴の上から手を伸ばしてしっかりと彼女の手を握った。
「大丈夫、なにがあってももう離さない。都は心配しないで、一緒に暮らす準備をしておいて」
穏やかに声をかけ、子供にするみたいに頭を撫でる。彼女はふっと微笑んで小さく頷き、瞼を閉じた。
すぐにふたりの寝息が聞こえてくる。俺は肘をついて愛しいふたりの寝顔を見つめながら、しばらく物思いに耽っていた。



