こんな調子で、朝陽くんとは普通の友達のような関係になっている。
当時、別れた後に実は私たちが疑われていたのだと明かしたら、『なんでもっと早く相談してくれなかったの? 俺が弁解するよ』と言ってくれた。でも、あの状況で朝陽くんがお母様と会っても、きっと逆上させてしまうだけだっただろう。
私は朝陽くんの明るさに救われたから、それだけで十分だった。今も彼と接していると、沈んでいた気分が一時だけ浮上する。
笑って話していたら、廊下から「ママ!」と言って昴が駆け寄ってきた。私の足にくっつく姿を見て、朝陽くんは目を丸くする。
「あれっ、昴くん?」
「ちょっと用事があってここに寄ってたの。今帰ろうとしてたから、もう少しですれ違っちゃうところだったね」
「そうだったんだ。よっ、昴くん」
しゃがんで手の平を向ける朝陽くんに、昴は案の定警戒心むき出しで私の後ろに隠れる。
そういえば、まだ人見知りは治っていないんだった……。この子が嘉月さんに懐いているのはすごいことなんだなと、改めて感じる。



