身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました


 お言葉に甘えて、あと少しだけ〝女〟として過ごさせてほしい。

 どうしてもお互いを求める欲を振り払えなくて、私たちは嘉月さんのマンションへ向かった。キスだけでは満たされないもどかしさが限界に近づいている。

 初めて身体を重ねた日のように、数年ぶりの彼の部屋がどうなっているのかを確かめることもなく、ベッドになだれ込んだ。

 出産してきっと体型は変わっているし、久しぶりの情事はめちゃくちゃ恥ずかしい。でもそれより愛されたい欲求が上回って、されるがままに舌を交らわせ、服を脱がされていた。

 唇の熱、「可愛い」と甘い言葉を囁いて耳にキスする癖、肌をなぞる手つき。色気たっぷりな瞳もあの頃のままで、見つめられて愛撫されるだけで身体が溶けそうになる。


「やっ、まだ……っ、待って」


 上と下の蕾を同時に攻められてあっさり達してしまいそうになり、私は咄嗟に彼の動きを止めた。舌を覗かせていた彼が、不思議そうに顔を上げる。


「嘉月さん、思い出したの?」
「どうして?」
「すごく、その……心得ているというか」


 って、なに恥ずかしいことを言ってるんだ私。両手で真っ赤になっているだろう顔を隠すと、彼の納得したような「ああ……」という声が聞こえてくる。