身ごもり婚約破棄したはずが、パパになった敏腕副社長に溺愛されました


 というのも、デートのおおまかな段取りを決めている時に〝ランチプランのあるクルージングもいいね〟という話になり、嘉月さんが予約すると言ってくれたのだがすでに一杯だったのだ。ゴールデンウィークの直前ではさすがに無理だった。


「急に葉山に行きたいって言い出した私がいけないんです。せっかく予約しようとしてくれたのにすみません」


 私は肩をすくめて謝った。内心ちょっぴり決まりが悪くなる。

 実は、前回私たちはクルージングランチをした。それと同じことをすれば、彼の記憶が刺激されるかも……なんて密かな狙いもあったのだけど、そううまくはいかない。


「でも嘉月さんと一緒なら、どこに行っても嬉しいんで」


 フォローするつもりで口にしたひと言に、自分ではっとする。

 今の、ほぼ告白みたいなものじゃないの? 嘉月さんは、私がいまだに昴の父親を好きだと思っているのに、こんなふうに言ったら軽い女だと思われるんじゃ……!? いや、昴の父親はあなたなんだけど!

 なんだか頭の中が複雑になってひとりどぎまぎしていると、彼が口元をほころばせる。