正直に悪態をつく私に、里実さんもうんうんと頷いた。好き勝手に話していると徐々に怒りは収まってきて、ふぅと息をつく。
「まあ、嘉月さんほどの人ならライバルもいるだろうと思ってましたけどね。ご両親を説得するのも簡単じゃないだろうなって、最初から予想していたし」
まさか鈴加さんがお母様と繋がっていて、婚約者候補だと宣言されるとは思わなかったけれど。お母様との仲よしアピールも思い返すとムカムカしてくるな……。
「でも、もう一度掴んだチャンスを手放したくないんです。昴も嘉月さんも、ちゃんと家族になって幸せにしてあげたい。そのためには、ちょっとやそっとじゃ諦めません」
いつの間にか固いものになっていた意志を、自分自身に誓うように口にした。
背筋を伸ばして「さて、気持ち切り替えよ」と明るく言い、紙コップの補充を始める私に、里実さんはおおらかな笑みを浮かべる。
「そこまで思えるってすごいよ。逞しくなったね、都ちゃん」
「子供を産んで変わったのかも。自然に強くなるもんですね」
今回だけでなく、いろいろなシーンでつくづく図太くなったと思う。したり顔をすると、里実さんも笑って「私は心の底から応援してるよ」と嬉しい言葉をくれた。



