都本人に聞いても口を濁しているのは明らかなので、あまりいい関係ではなかったのかもしれないと思うと、掘り起こしていいものかやや迷いもあるが……。
それでも、やはり真実を知りたい。物事を覚えすぎているのが嫌で仕方なかったのに、なぜ肝心な部分は忘れてしまっているんだ。
気になることはもうひとつある。昴くんの父親かもしれない、青山という男の存在だ。
あんなに素敵な女性が好いてくれているというのに、なぜ別れたのか理解に苦しむ。都を悲しませ、苦労をかけさせていることに関しては許せないが、これからも彼女の前に現れないでほしいというのが正直な気持ちだ。
あれこれ考えながら今日もマンションに帰宅し、ネクタイを緩めてやりきれないため息を吐き出した。
しかし、ついこの間もらった昴くんの絵を見ると気持ちが和む。あれからさっそくリビングの壁に飾り、毎日眺めて癒されているのだ。
心が安らぐのを感じつつ、着替えるために寝室に向かう。ネクタイや装飾品をはずし、ベッドの脇の棚にあるケースにカフスをしまおうとしたものの、手が滑って落としてしまった。



